ニガテな副担任はこの頃距離が近すぎる
 翌朝、テレビでニュースを流し見しながら身支度を整える。

 洗顔をしている間に冷凍ご飯をレンジで温めている。一応健康を気にして雑穀米だ。日曜日に一週間分を冷凍してこうして平日に消費していくのだ。

 1Kのこの部屋は就職するときに引っ越してきた。大学進学とともに地元の四国から東京に出てきたころはひとり暮らしがさみしいと思うこともあったが、今はこのひとりの空間が落ち着く。

 築八年、駅から徒歩十分。五階建ての三階の角部屋。

 日当たりが少し悪いけれど日中はほとんど家にいないのであまり気にならない。物は少なくシンプルにしている。部屋を綺麗に飾るセンスがないからだ。

 今日はゆっくりコーヒー飲んでから出勤できるかなぁ。

 ぼんやりと考えていると、昨日残して帰った仕事を思い出した。超特急で朝食をかきこみ、駅に早足で向かった。




 始業時間までまだ時間はあるが、学校には部活の朝練の生徒や同じように朝早くから出勤している教職員がいる。

「おはようございます」

 声をかけつつ自分の席に向かう。パソコンを立ち上げている間、持参したタンブラーからお茶をひとくちのんだ。

 昨日、結局三分の一くらいしかできなかった。今からホームルームまでに仕上がるだろうか。無理なら昼休みも返上しなきゃ。

 そう思いながらデータを開く。取り掛かろうとして驚いた。

 できてる? どうして……

 最後まで確認した、完璧に仕上がっていて、最終データ更新者は八神先生になっている。

 驚いて隣の席を見るが本人はいない。いったいいつこの仕事をしたのだろうか。結局私の担当のところまで終わっていた。
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