ニガテな副担任はこの頃距離が近すぎる
「さすが国語の先生。俺のことを親しい仲だって言ってくれてうれしいな」
ニコニコとなぜだかとてもうれしそうだ。
私は予想外の反応に、またしてもどきまぎしているというのに。
「な……っ、なに言って」
「違うんですか? 言ったのそっちなのに」
「それはそうですけど!」
ああいえばこういうとはまさにこのことだ。言い返したいのに、とっさの言葉が出てこない。国語教師なのに情けない。
「とにかく、大変助かりました。ありがとうございます」
しっかりと頭をさげ、もう一度お礼を言う。
「そんなにありがたいと思っているなら、今度一緒にバスケしませんか?」
「……しません」
なぜ急にそんな話になるのだろう。
「かっこいい姿見せたかったのに」
八神先生はシュートする真似をしてみせる。まるで生徒と話をしているような気持ちになる。
「郁ちゃん、もしかして運動苦手ですか?」
「そ、そんなことないですよ。全然、まったく。それと郁ちゃんって呼ばないでください」
なんとなく弱みをみせたくなくて、虚勢を張る。本当は死ぬほど苦手だ。比較的学校の成績はいいほうだったが、体育だけはからっきしだった。
そのとき正面から、学年主任がやってきて八神先生に声をかけた。
「八神先生、ちょっと手伝ってもらっていいですか?」
「はい、喜んで」
まるで居酒屋のスタッフのような返事をしながら、踵を返して歩いて行った。
私はこれ以上追及されないことにほっとして、先に職員室に向かった。
しかし八神先生の人気には驚く。生徒だけでなく先生からも信頼されていて……うらやましいな。
自分が不器用だという自覚はある。人と比較しても仕方がないといつも生徒には言っているのに。
そんなことを思いながら、授業に向かった。
ニコニコとなぜだかとてもうれしそうだ。
私は予想外の反応に、またしてもどきまぎしているというのに。
「な……っ、なに言って」
「違うんですか? 言ったのそっちなのに」
「それはそうですけど!」
ああいえばこういうとはまさにこのことだ。言い返したいのに、とっさの言葉が出てこない。国語教師なのに情けない。
「とにかく、大変助かりました。ありがとうございます」
しっかりと頭をさげ、もう一度お礼を言う。
「そんなにありがたいと思っているなら、今度一緒にバスケしませんか?」
「……しません」
なぜ急にそんな話になるのだろう。
「かっこいい姿見せたかったのに」
八神先生はシュートする真似をしてみせる。まるで生徒と話をしているような気持ちになる。
「郁ちゃん、もしかして運動苦手ですか?」
「そ、そんなことないですよ。全然、まったく。それと郁ちゃんって呼ばないでください」
なんとなく弱みをみせたくなくて、虚勢を張る。本当は死ぬほど苦手だ。比較的学校の成績はいいほうだったが、体育だけはからっきしだった。
そのとき正面から、学年主任がやってきて八神先生に声をかけた。
「八神先生、ちょっと手伝ってもらっていいですか?」
「はい、喜んで」
まるで居酒屋のスタッフのような返事をしながら、踵を返して歩いて行った。
私はこれ以上追及されないことにほっとして、先に職員室に向かった。
しかし八神先生の人気には驚く。生徒だけでなく先生からも信頼されていて……うらやましいな。
自分が不器用だという自覚はある。人と比較しても仕方がないといつも生徒には言っているのに。
そんなことを思いながら、授業に向かった。