ニガテな副担任はこの頃距離が近すぎる
平野先生の視線の先には、生徒と話をしながら歩いている八神先生の姿がある。赴任してまだ日が浅いのにもう生徒の心をつかんでいる。
「そうなんですよね」
私の指導係なんて名前だけだ。事務処理や用具の置き場所など細かいことは教えないといけないが、それ以外は私の出る幕などほとんどない。
あっという間に生徒や、保護者、教師陣からも信頼を得ている。仕事ができるだけではなく、人心を得るすべにたけているのだ。
一度彼の授業を見学する機会があったのだが、たいへんわかりやすくかつ興味深い進め方でいつも私の授業で眠っている生徒もしっかりと起きていて学びを楽しんでいた。
あまりのすごさに、今思い出しても落ち込んでしまう。
「さぁ、僕らも行こうか」
「はい」
平野先生に促されて、職員室に向かう。すぐに朝のホームルームがはじまる。急がなくては。
私は小走りで生徒たちの待つ教室に向かった。
「はーい、みんな席について」
ざわざわとした教室に声をかけると、それぞれが自席に着く。
教壇からみんなの様子を眺める。眠そうにしている子や、朝から元気いっぱいな子、それぞれだ。欠席者も遅刻者もいないことを確認して連絡事項を伝える。
「英検の申し込み締め切りが明日までだから、忘れないように」
手元の手帳を見て伝達に漏れがないか確認を終えると、一時間目の授業のためにいったん職員室に向かって、他のクラスの教室に向かう。
ここからはほぼ休憩なしの、怒涛の一日が始まり、気が付けば放課後だ。
授業が終わったからといって、仕事が終わるわけではない。
「郁ちゃん先生、質問いいですか?」
「はい、どうぞ」
「そうなんですよね」
私の指導係なんて名前だけだ。事務処理や用具の置き場所など細かいことは教えないといけないが、それ以外は私の出る幕などほとんどない。
あっという間に生徒や、保護者、教師陣からも信頼を得ている。仕事ができるだけではなく、人心を得るすべにたけているのだ。
一度彼の授業を見学する機会があったのだが、たいへんわかりやすくかつ興味深い進め方でいつも私の授業で眠っている生徒もしっかりと起きていて学びを楽しんでいた。
あまりのすごさに、今思い出しても落ち込んでしまう。
「さぁ、僕らも行こうか」
「はい」
平野先生に促されて、職員室に向かう。すぐに朝のホームルームがはじまる。急がなくては。
私は小走りで生徒たちの待つ教室に向かった。
「はーい、みんな席について」
ざわざわとした教室に声をかけると、それぞれが自席に着く。
教壇からみんなの様子を眺める。眠そうにしている子や、朝から元気いっぱいな子、それぞれだ。欠席者も遅刻者もいないことを確認して連絡事項を伝える。
「英検の申し込み締め切りが明日までだから、忘れないように」
手元の手帳を見て伝達に漏れがないか確認を終えると、一時間目の授業のためにいったん職員室に向かって、他のクラスの教室に向かう。
ここからはほぼ休憩なしの、怒涛の一日が始まり、気が付けば放課後だ。
授業が終わったからといって、仕事が終わるわけではない。
「郁ちゃん先生、質問いいですか?」
「はい、どうぞ」