アルト、将来の夢を語る【アルトレコード】
「初めまして。相談いいですか?」
『どうぞ』
『聞かずに相談しても大丈夫ですよ』
 コメントが表示されると同時に合成音声の返事が来る。私はホッとした。
アルトをどう説明しようか迷い、結局、自分の子どもという設定で話し始めた。
「うちの子がeスポーツの選手になりたいって言ったんですけど、いろいろあってそれは無理なんです。いろいろの部分は説明できないです。夢を叶えてあげたかったんですけど、本人が無理だと気付いてしまって、すごく傷ついてて……なんとかしてあげたいんです」
『なんとかって? 夢を叶えたいってこと? 傷付いたのを癒してあげたいってこと?』
「あとのほうです。なんとかフォローしたいんですけど」
『何歳なのかにもよるけど……小さい子ならお菓子でご機嫌とるとか』
 何歳って言えばいいんだろう。身長と見た目は十歳くらいなんだけど……そうしておくしかないかな。
「十歳です」
『あー、それなりに大きいね』
『10歳なんてまだ子どもだよ』
『テーマパークに連れてって気分転換させてあげたら』
『子どもの夢はころころ変わるから気にしなくてオケ!』
 いろんな答えがいっきにかえってきて、私はうろたえる。
 どうやってみんなに返事をしたらいいんだろう。
 迷っていると、さらに回答が増えた。
『本人の力や成長を信じてあげたら?』
 返って来た答えに、私は驚いた。
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