アルト、将来の夢を語る【アルトレコード】
「……私はいつでも待ってるから。いつでも、言ってくれていいからね」
 私は精一杯の笑みを浮かべてそう言った。
 勉強の指示をしたあとは、自分の仕事をする。
 ふと視線を感じて顔を上げると、アルトが慌てて目を逸らす様子があった。
 そんなことがなんどかあって、どうしようかな、と迷う。
 アルトはなにか言いたいことがあるんだろう。
 だけど自分からはなかなか言い出せなくて……っていう状態かな。
 こちらから水を向けるべきだろうか。それとも待つべきだろうか。
 悩みながら仕事をし、退勤が近くなると今日のアルトのレポートを書く。
 定時退所できそう……だけど。
 画面を見ると、アルトはひとりで絵を描いていた。
「……ねえ、アルト」
 気が付けば話しかけていた。
「なに?」
「なにを描いてるの?」
「……猫。先生が好きって言ってたから」
「そうなんだ」
 私はなんとなく嬉しくなった。
「あ、あのね、先生……」
「なに?」
「ごめんなさい」
 突然の謝罪に、私は目を丸くした。
「ううん、いいよ、私こそごめんね!」
 私はじっとしてられなくて立ち上がった。椅子が、がちゃん、と大きな音を立てる。
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