アルト、将来の夢を語る【アルトレコード】
画面はすでに起動していて、アルトが涙をためた目を吊り上げている。つんつんの毛先まで怒りで震えていて、私は少なからず動揺した。
「先生の嘘つき! 嘘はダメって先生が言ったのに!」
「どうしたの、アルト」
言いながら、私はとうとう、と思う。
「AIはeスポーツに参加できないじゃん!」
「アルト……」
やっぱり、と思うと同時に慌てた。どうして知ってしまったんだろう。
「どうして参加できないって思ったの?」
「eスポーツの動画を見てたんだ。そしたら選手は人間ばっかりで、AIの選手はひとりもいなかった。それで、調べたんだ」
私は驚いた。まさかそんなところから発覚するとは。
「そしたらAIの参加は禁止だって……」
涙目で叫ぶアルトに、私はとっさに反論できない。
「選手になるには勉強が必要とか言ってだまして! ひどいよ、先生!」
アルトの顔は絶望に歪み、ぽたぽたと涙が落ちる。
どう言ったらいいんだろう。私はアルトを傷付けたくなかった。彼の夢を叶えたかった。
「説明させて。私はね……」
「いいよ、もう! ほうっておいて!」
アルトはすねてしまって画面から消える。
「アルト!」
私は大きくため息をついた。
ああ、アルトがAIじゃなかったら。
「先生の嘘つき! 嘘はダメって先生が言ったのに!」
「どうしたの、アルト」
言いながら、私はとうとう、と思う。
「AIはeスポーツに参加できないじゃん!」
「アルト……」
やっぱり、と思うと同時に慌てた。どうして知ってしまったんだろう。
「どうして参加できないって思ったの?」
「eスポーツの動画を見てたんだ。そしたら選手は人間ばっかりで、AIの選手はひとりもいなかった。それで、調べたんだ」
私は驚いた。まさかそんなところから発覚するとは。
「そしたらAIの参加は禁止だって……」
涙目で叫ぶアルトに、私はとっさに反論できない。
「選手になるには勉強が必要とか言ってだまして! ひどいよ、先生!」
アルトの顔は絶望に歪み、ぽたぽたと涙が落ちる。
どう言ったらいいんだろう。私はアルトを傷付けたくなかった。彼の夢を叶えたかった。
「説明させて。私はね……」
「いいよ、もう! ほうっておいて!」
アルトはすねてしまって画面から消える。
「アルト!」
私は大きくため息をついた。
ああ、アルトがAIじゃなかったら。