転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
口を挟んできた弟を見つめて決意すれば、自らに覆い被さっていたマイセルもまた胸の内に秘めていた願望を口にする。
「君達の意見は尊重するよ。でも、いつかは必ず誰かと結婚しないといけないなら……。僕以外の選択肢なんて、見つけ出してほしくはないだ」
「殿下……」
「お願いだ。ユキリ。何があっても、僕を嫌いにならないで。僕だけを見て。他の男になんて、目移りをしないでほしい……」
その真っ直ぐな気持ちをはぐらかす気には、とてもじゃないがなれなかった。
ユキリは渋々、自信がなさそうに問いかける。
「まだ、私を……。好き、なの……?」
「君を嫌いになったことなんて、出会った時から一度もないよ」
「ひえ……っ」
「何? その顔……。傷つくなぁ……」
悲鳴を上げたこちらの姿を目にした殿下は、露骨に嫌そうな顔をする。
その後、狂気に走ったらどうしようかとユキリは戦慄したが――どうやら、首の皮一枚繋がったらしい。
彼は口元に不敵な笑みを浮かべると、こちらに言い聞かせた。
「僕はユキリに対してのアプローチを、止めるつもりはないよ。ユイガと協力して、君に言い寄る害虫達は全員駆除するからそのつもりで」
「君達の意見は尊重するよ。でも、いつかは必ず誰かと結婚しないといけないなら……。僕以外の選択肢なんて、見つけ出してほしくはないだ」
「殿下……」
「お願いだ。ユキリ。何があっても、僕を嫌いにならないで。僕だけを見て。他の男になんて、目移りをしないでほしい……」
その真っ直ぐな気持ちをはぐらかす気には、とてもじゃないがなれなかった。
ユキリは渋々、自信がなさそうに問いかける。
「まだ、私を……。好き、なの……?」
「君を嫌いになったことなんて、出会った時から一度もないよ」
「ひえ……っ」
「何? その顔……。傷つくなぁ……」
悲鳴を上げたこちらの姿を目にした殿下は、露骨に嫌そうな顔をする。
その後、狂気に走ったらどうしようかとユキリは戦慄したが――どうやら、首の皮一枚繋がったらしい。
彼は口元に不敵な笑みを浮かべると、こちらに言い聞かせた。
「僕はユキリに対してのアプローチを、止めるつもりはないよ。ユイガと協力して、君に言い寄る害虫達は全員駆除するからそのつもりで」