転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした　王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って！
　どんな作戦が効果的かと、考えを巡らせていた時だった。
　千載一遇のチャンスが、やってきたのは。

「1年A組の生徒が、いじめを受けているんでしょ？」
「どんどんエスカレートしているらしいよ」
「怖いね……」

　マイセルの愛しい彼女と、ユキリが必死になってカップルを成立させようとしている男女の片割れ。
　ティナ・ローンズがいじめに合っていると言う話が出てきたのだ。

「今こそ、協力し合う時だ」

　この状況に、ティナを愛するロンドも黙っていられなかったようでーーわざわざユイガと王太子のクラスまで顔を出して、協力を申し出た。

「もちろん」

　マイセルはそれをとても喜び、彼と同盟を結んだ。

「ほら。ユイガも」
「今さら、握手などする必要はない」
「そうなんだ？」
「まぁ、な。あんたに比べれば、こいつとは話しやすいし……」
「いつの間に、仲良くなったの？」
「どうでもいいだろ」

　マイセルは護衛としてのポジションに落ち着きつつあるユイガをロンドへ紹介するつもりだったが、2人は自分の知らないうちに友人として交流を深めていたようだ。

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