転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
「も、もちろん! ユキリちゃんと一緒に、卒業したいもの……」
「いや、無理だろ」
ティナはこのままユキリが退学になるのは嫌だとマイセルの言葉に賛同したが、ロンドは彼らの願いをバッサリと切り捨てた。
「隠し切れねぇだろ」
ロンドの言葉を、肯定するかのように。
彼が後方に視線を向ければ、バタバタと騒がしい足音が響き渡る。
そこには騒ぎを聞きつけて転移魔法を使いやってきた神官達を伴う、ザルツの姿があった。
「ほらな」
ロンドは肩を竦め、このまま彼女に今まで通りの学園生活を送らせるのは無理だと態度で示す。
だがマイセルは、絶対に彼女を諦めるわけにはいかなかった。
(ここでユキリの手を離したら、もう二度と会えなくなる……!)
ユキリがこちらに恋愛感情を持っていないとか、嫌っているような素振りをみせているとか。
そんなことを気にしている場合ではないのだ。
目の前に立ち塞がったユイガとともに、マイセルはザルツを鬼の形相で睨みつけると、神官に向かってはっきり宣言した。
「聖女様をこちらに」
「断る」
「誰が貴様のような人間に、姉さんを渡すものか……!」
「いや、無理だろ」
ティナはこのままユキリが退学になるのは嫌だとマイセルの言葉に賛同したが、ロンドは彼らの願いをバッサリと切り捨てた。
「隠し切れねぇだろ」
ロンドの言葉を、肯定するかのように。
彼が後方に視線を向ければ、バタバタと騒がしい足音が響き渡る。
そこには騒ぎを聞きつけて転移魔法を使いやってきた神官達を伴う、ザルツの姿があった。
「ほらな」
ロンドは肩を竦め、このまま彼女に今まで通りの学園生活を送らせるのは無理だと態度で示す。
だがマイセルは、絶対に彼女を諦めるわけにはいかなかった。
(ここでユキリの手を離したら、もう二度と会えなくなる……!)
ユキリがこちらに恋愛感情を持っていないとか、嫌っているような素振りをみせているとか。
そんなことを気にしている場合ではないのだ。
目の前に立ち塞がったユイガとともに、マイセルはザルツを鬼の形相で睨みつけると、神官に向かってはっきり宣言した。
「聖女様をこちらに」
「断る」
「誰が貴様のような人間に、姉さんを渡すものか……!」