転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
「生涯独身を貫くべき聖女が将来の伴侶を見つける学び舎に、紛れ込んでいるなんて!」
「ルアーナ公爵令嬢……」
「皆様に、失礼だと思いませんの?」
意地汚い笑みを浮かべたルアーナ公爵令嬢は、これで目障りなユキリが退学になると確信したのだろう。
殿下に睨みつけられても、その余裕綽々な様子を崩すことはなかった。
(このイベントで、ロンティナの仲は深まったみたい……)
ユキリはちらりと推しカップルの姿を確認する。
抱きしめ合う2人は完全に、自分達だけの世界に入っていた。
(私の役目は、もう終わりだね……)
ユキリは恋ラヴァには登場しないモブだが――。
ロンドとティナの恋を成就させるために転生した、恋のキューピットだ。
2人が思いを通じ合わせたのであれば、恋愛学園に居続ける理由がない。
(2人のイチャラブを、間近で見られないのは残念だけれど……)
愛し合う2人が引き裂かれて悲しい思いをするくらいならば、心の底から愛する人のいない自分に、聖女としての力が目覚めたことを喜び――この学園から立ち去るべきだ。
「ルアーナ公爵令嬢……」
「皆様に、失礼だと思いませんの?」
意地汚い笑みを浮かべたルアーナ公爵令嬢は、これで目障りなユキリが退学になると確信したのだろう。
殿下に睨みつけられても、その余裕綽々な様子を崩すことはなかった。
(このイベントで、ロンティナの仲は深まったみたい……)
ユキリはちらりと推しカップルの姿を確認する。
抱きしめ合う2人は完全に、自分達だけの世界に入っていた。
(私の役目は、もう終わりだね……)
ユキリは恋ラヴァには登場しないモブだが――。
ロンドとティナの恋を成就させるために転生した、恋のキューピットだ。
2人が思いを通じ合わせたのであれば、恋愛学園に居続ける理由がない。
(2人のイチャラブを、間近で見られないのは残念だけれど……)
愛し合う2人が引き裂かれて悲しい思いをするくらいならば、心の底から愛する人のいない自分に、聖女としての力が目覚めたことを喜び――この学園から立ち去るべきだ。