転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
(どうか、襲われませんように!)
弟を当てにするのはよくないと考えた姉は神に祈りを捧げて身を引きしめる。その後、ザルツの自宅へ足を踏み入れた。
「聖女様……。どうか弟を、お助けください……」
彼に懇願されたユキリは、ベッドで苦しそうに荒い息を吐きながら横たわる少年をじっと見つめた。
(さすが攻略対象の弟……顔立ちが整ってる……)
恋ラヴァではモブ扱いで顔まで描写されなかったが、ここは現実だ。
兄によく似た顔立ちの少年が青白い顔で眠っている。
(将来有望だね……!)
目を閉じているだけでも明らかに美形とわかる少年なのだ。
元気になれば、女性達を虜にする男性へ成長するに違いない。
(早く、元気になりますように……)
聖女は子どもの手を握ると、目を瞑って癒やしの力を使った。
「これは……!」
――眩い光に包まれた直後。
苦しそうに荒い息を吐き出していた少年の呼吸が落ち着き――ゆっくりと目が開いていく。
「兄、ちゃん……?」
弟を当てにするのはよくないと考えた姉は神に祈りを捧げて身を引きしめる。その後、ザルツの自宅へ足を踏み入れた。
「聖女様……。どうか弟を、お助けください……」
彼に懇願されたユキリは、ベッドで苦しそうに荒い息を吐きながら横たわる少年をじっと見つめた。
(さすが攻略対象の弟……顔立ちが整ってる……)
恋ラヴァではモブ扱いで顔まで描写されなかったが、ここは現実だ。
兄によく似た顔立ちの少年が青白い顔で眠っている。
(将来有望だね……!)
目を閉じているだけでも明らかに美形とわかる少年なのだ。
元気になれば、女性達を虜にする男性へ成長するに違いない。
(早く、元気になりますように……)
聖女は子どもの手を握ると、目を瞑って癒やしの力を使った。
「これは……!」
――眩い光に包まれた直後。
苦しそうに荒い息を吐き出していた少年の呼吸が落ち着き――ゆっくりと目が開いていく。
「兄、ちゃん……?」