転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
(彼はどちらのほうが、ダメージが少なくて済むのかな……?)
そう考えれば、今この場で静かに怒り狂う殿下やユイガからきつい言葉を投げかけられた方が、いろいろな意味で恥をかかなくて済む可能性が高かった。
(殿下のやることに口を挟んで、彼の機嫌を損ねるのはよくないだろうし……)
ユキリは愛する人の暴走を止めることなく、黙認すると決めた。
「な、何事ですか! この騒ぎは一体――」
「やぁ」
噂をすればなんとやら。ちょうどいいタイミングで、騒ぎを聞きつけたザルツが顔を出す。
満面の笑みを浮かべた殿下の挨拶を目にした彼は、瞬時に全てを悟ったようだ。
「私の願いは、聖女様の手によって叶えられました」
「そう」
「煮るなり焼くなり、どうぞお好きになさってください」
「じゃあ、遠慮なく。ユイガ」
「一度ならず二度までも……。姉さんを傷つけようと目論見、攫った罪は重いぞ。覚悟しろ」
ザルツはあっさりと神官を辞め、弟の手によって素直に連行されて行った。
(やっと、終わった……?)
ユキリは愛する殿下の隣で、不安そうに視線をさまよわせた。
そう考えれば、今この場で静かに怒り狂う殿下やユイガからきつい言葉を投げかけられた方が、いろいろな意味で恥をかかなくて済む可能性が高かった。
(殿下のやることに口を挟んで、彼の機嫌を損ねるのはよくないだろうし……)
ユキリは愛する人の暴走を止めることなく、黙認すると決めた。
「な、何事ですか! この騒ぎは一体――」
「やぁ」
噂をすればなんとやら。ちょうどいいタイミングで、騒ぎを聞きつけたザルツが顔を出す。
満面の笑みを浮かべた殿下の挨拶を目にした彼は、瞬時に全てを悟ったようだ。
「私の願いは、聖女様の手によって叶えられました」
「そう」
「煮るなり焼くなり、どうぞお好きになさってください」
「じゃあ、遠慮なく。ユイガ」
「一度ならず二度までも……。姉さんを傷つけようと目論見、攫った罪は重いぞ。覚悟しろ」
ザルツはあっさりと神官を辞め、弟の手によって素直に連行されて行った。
(やっと、終わった……?)
ユキリは愛する殿下の隣で、不安そうに視線をさまよわせた。