転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
神殿は壊滅したが、聖女としての役目までもが消滅するわけではない。
「殿下。私は一体、これからどうなるの……?」
人々が癒やしの力を求めるような危機が訪れた時は、その力を惜しげもなく使ってその役目を果たさなければならなかった。
「今まで通りだよ」
「でも……。私は聖女で……」
「違う。君は僕の婚約者。これから、妻になるんだ」
「病に苦しんでいる人がいたら、助けなきゃいけなくて……」
「今は使命など忘れて、僕のことだけを見るんだ。いいね?」
殿下から凄まれたユキリは、その勢いに押されて黙りこくる。
そんなこちらの姿を満足そうに見つめた彼は、満面の笑みを浮かべて告げた。
「それじゃ、指輪を買いに行こうか」
そんなことをしている場合ではないと異を唱えるべきか、悩んでいる間に――マイセルは愛する婚約者の細い身体を抱き上げ、歩き出した。
一仕事終わったとばかりにごきげんな様子を見せる彼の姿を目にして、ユキリは呆然とする。
(なんで……?)
この状況でその行動をするのかと、理解しづらそうな顔をしていたからだろうか。
マイセルは低い声で、問いかけてきた。
「殿下。私は一体、これからどうなるの……?」
人々が癒やしの力を求めるような危機が訪れた時は、その力を惜しげもなく使ってその役目を果たさなければならなかった。
「今まで通りだよ」
「でも……。私は聖女で……」
「違う。君は僕の婚約者。これから、妻になるんだ」
「病に苦しんでいる人がいたら、助けなきゃいけなくて……」
「今は使命など忘れて、僕のことだけを見るんだ。いいね?」
殿下から凄まれたユキリは、その勢いに押されて黙りこくる。
そんなこちらの姿を満足そうに見つめた彼は、満面の笑みを浮かべて告げた。
「それじゃ、指輪を買いに行こうか」
そんなことをしている場合ではないと異を唱えるべきか、悩んでいる間に――マイセルは愛する婚約者の細い身体を抱き上げ、歩き出した。
一仕事終わったとばかりにごきげんな様子を見せる彼の姿を目にして、ユキリは呆然とする。
(なんで……?)
この状況でその行動をするのかと、理解しづらそうな顔をしていたからだろうか。
マイセルは低い声で、問いかけてきた。