転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
すっかり殿下に主導権を握られてしまった。
彼に思わぬ提案を受け、言葉を濁す。
「ユイガはあの女を叩き斬るため、日々鍛錬を積んでいる。恋愛学園では、身分など関係なく平等に扱われるからね」
「うん。私もそれは、危惧してた……。ユイガは一度目標を決めたら、それを達成するまでは突っ走るタイプだし……」
「ユキリは? 何か言いたいこと、ないの?」
マイセルに促されたユキリは、ここで自分の言いたいことを言うべきではないとよく理解していた。
だが、自分の気持ちに嘘をつけず……。素直な想いを、口にしてしまう。
「許せない気持ちは、すごくあるよ。でも、あそこは……」
あの学び舎は、長年続く因縁に蹴りをつけるためにあるのではない。
ロンドとティナが愛を育むためにある場所だ。
(そんな神聖な場所で、血なまぐさい争いをするわけにはいかないよね……)
ユキリは不自然に言葉を止めると、どこか寂しそうに眉を伏せた。
そんなこちらの姿を目にしたマイセルは、不安がる必要はないとばかりに優しく抱きしめてくれた。
「そこがどこかなんて、関係ないよ。僕は知りたいな。ユキリの綺麗なところも、醜いところも」
「な、ないよ……。そんなの……」
「ユイガにしか、教えられない……?」
「もし、あったとしても! 弟に教えるのは、家族だからだよ……! 殿下にはたくさん、お世話になっているけど……。私はそこまで、仲良くな……!」
「ユキリ」
彼に思わぬ提案を受け、言葉を濁す。
「ユイガはあの女を叩き斬るため、日々鍛錬を積んでいる。恋愛学園では、身分など関係なく平等に扱われるからね」
「うん。私もそれは、危惧してた……。ユイガは一度目標を決めたら、それを達成するまでは突っ走るタイプだし……」
「ユキリは? 何か言いたいこと、ないの?」
マイセルに促されたユキリは、ここで自分の言いたいことを言うべきではないとよく理解していた。
だが、自分の気持ちに嘘をつけず……。素直な想いを、口にしてしまう。
「許せない気持ちは、すごくあるよ。でも、あそこは……」
あの学び舎は、長年続く因縁に蹴りをつけるためにあるのではない。
ロンドとティナが愛を育むためにある場所だ。
(そんな神聖な場所で、血なまぐさい争いをするわけにはいかないよね……)
ユキリは不自然に言葉を止めると、どこか寂しそうに眉を伏せた。
そんなこちらの姿を目にしたマイセルは、不安がる必要はないとばかりに優しく抱きしめてくれた。
「そこがどこかなんて、関係ないよ。僕は知りたいな。ユキリの綺麗なところも、醜いところも」
「な、ないよ……。そんなの……」
「ユイガにしか、教えられない……?」
「もし、あったとしても! 弟に教えるのは、家族だからだよ……! 殿下にはたくさん、お世話になっているけど……。私はそこまで、仲良くな……!」
「ユキリ」