転生モブ令嬢は、死ぬ予定でした 王太子から溺愛されるなんて、誰か嘘だと言って!
(後ろ姿もかわいいとか、反則すぎ……!)

 幼馴染コンビと同じクラスになったユキリは、興奮を隠しきれない様子でティナの後ろの席に座り、彼女の背中を凝視しながら授業を受けていた。

(さすがは、恋ラヴァのヒロイン!)

 この状態では担任の言葉など、耳に入るわけがない。

(座っているだけでも、輝いてる……!)

 ユキリが神々しい彼女の姿を目にして拝み倒していると、あっと言う間にホームルームが終わった。

 ティナの隣に座るロンドは、幼馴染に奇妙な視線を向けるユキリの存在に気づいたらしい。
 身体だけを後ろに向けて、声をかけてきた。

「あんた、ティナに文句でもあんの?」
「いえ! 滅相もない!」
「めっそ……?」
「私はロンドと、ティナ推しなので!」
「オシ……?」

 ユキリが前世の言葉を、次々と繰り出したせいだろう。
 聞き馴染みのない単語に訝しげな視線を向けるロンドは、なんとも言えない顔でこちらをじっと見つめていた。

「安心してください! ルアーナ公爵令嬢は、私とユイガがなんとかしますので……!」
「なんかよくわかんねぇけど、物騒な女だな……」

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