アルトと歩む未来【アルトレコード】
「元気でみんなで笑っていられて……私はそれだけで幸せです」
「そうだね」
 私の言葉に北斗さんが頷くと、アルトたちが次々に口を開く。

「ぼくは先生が元気だとうれしいよ!」
「あ、それ俺が言おうと思ったのに」
「おっ、俺は……俺も……」
「俺も同感だ」
 賑やかな様子に、思わず私はふふっと笑う。

「さ、行こうか。目的地は……」
「今入力したよ」
 ベガさんに北斗さんが答え、車は静かに発進した。
 表彰式の会場までは、またアルトたちと賑やかに過ごすことになった。

 私は幸福感に浸りながら、じゃれあうアルトたちを見る。
 一時はどうなるかと思ったけど、こうしてみんながいて、世界も守られた。

「せんせ、なに笑ってるの?」
 アルトが黄色の目を輝かせて尋ねて来る。
「私、笑ってた?」
「うん」
 頷く彼に、私はさらに笑みをこぼす。

「私ね、アルトを幸せにしたかったの。なのに、私のほうが幸せを貰ってるなあって」

「だったら先生の願いはかなってるよ。ぼく、幸せだもん」
「俺もだよ」
「お、俺だって……」
「もちろん俺もだ、先生」
 四人が即座に同意すると、北斗さんが天井を見上げた。

 
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