25年ぶりに会ったら、元・政略婚相手が執着系社長になってました
デザートが運ばれ、食事も終盤になると──お決まりの流れだった。
「では、あとは若いおふたりで」と、両家の親がにこやかに席を外す。
(よし……)
完全に舞い上がっていた俺は、自然な流れで美和子を庭へと誘った。
「転んで、お怪我はありませんでしたか?」
そう尋ねると、彼女は少し驚いたようにこちらを見て──ふわりと微笑んだ。
「……お気遣いありがとうございます。大丈夫です」
それはまるで、花がふんわりほころぶような笑顔だった。
(可愛い……)
風が頬を撫で、静かな水音が聞こえる。格式ある日本庭園の散策路を並んで歩きながら、俺はもう“未来”の話を始めていた。
「素敵な庭ですね。でも、結婚式はこういう和風より、チャペルのほうがいいかな? いや、神前式でもいいけど」
美和子が何か返す前に、俺はどんどん話を進めた。
「新居は、しばらく俺が住んでるタワーマンションでいいよ。夜景がすごく綺麗で……きっと気に入ると思う」
彼女が一瞬、歩みを止めた。
静かに息を吸い込んだあと──
「……滝沢さん、あの……お話があるんです」
そう言いかけたそのとき。庭の飛び石に足を取られ、彼女がよろけた。
「──っ!」
俺は反射的に、彼女の身体を支えた。
そのまま、腕の中に彼女が収まる。
「大丈夫か?」
そう声をかけると、美和子は少し赤くなって顔を上げた。
「ありがとうござ──」
言葉を言い終える前に──俺は彼女の唇に、キスを落とした。
ぷっくりとした、柔らかな唇。甘くて、熱い感触。
(ああ……もっと触れたい。もっと、彼女が欲しい)
この瞬間──俺は、完全に理性を失っていた。
「では、あとは若いおふたりで」と、両家の親がにこやかに席を外す。
(よし……)
完全に舞い上がっていた俺は、自然な流れで美和子を庭へと誘った。
「転んで、お怪我はありませんでしたか?」
そう尋ねると、彼女は少し驚いたようにこちらを見て──ふわりと微笑んだ。
「……お気遣いありがとうございます。大丈夫です」
それはまるで、花がふんわりほころぶような笑顔だった。
(可愛い……)
風が頬を撫で、静かな水音が聞こえる。格式ある日本庭園の散策路を並んで歩きながら、俺はもう“未来”の話を始めていた。
「素敵な庭ですね。でも、結婚式はこういう和風より、チャペルのほうがいいかな? いや、神前式でもいいけど」
美和子が何か返す前に、俺はどんどん話を進めた。
「新居は、しばらく俺が住んでるタワーマンションでいいよ。夜景がすごく綺麗で……きっと気に入ると思う」
彼女が一瞬、歩みを止めた。
静かに息を吸い込んだあと──
「……滝沢さん、あの……お話があるんです」
そう言いかけたそのとき。庭の飛び石に足を取られ、彼女がよろけた。
「──っ!」
俺は反射的に、彼女の身体を支えた。
そのまま、腕の中に彼女が収まる。
「大丈夫か?」
そう声をかけると、美和子は少し赤くなって顔を上げた。
「ありがとうござ──」
言葉を言い終える前に──俺は彼女の唇に、キスを落とした。
ぷっくりとした、柔らかな唇。甘くて、熱い感触。
(ああ……もっと触れたい。もっと、彼女が欲しい)
この瞬間──俺は、完全に理性を失っていた。