響け！月夜のアジタート
レオンハルトはそう言い、マーガレットを待った。しかし数十分経ってもマーガレットはやって来ない。アントーニョが苛立ちを露わにしながら「遅ぇ」と言う。オルハンがその足を踏み付けた。

「朝から不機嫌な顔を見せるな。気分が悪くなる」

「テメェも苛立ってんじゃねぇか！！」

アントーニョとオルハンは今にも取っ組み合いを始めそうな雰囲気である。レオンハルトは懐中時計を見た後、提案した。

「メグを部屋まで迎えに行こう」

「賛成です」

カナタが同意し、レオンハルトに続いて歩き出す。その後ろをアントーニョとオルハンが互いの足を踏み付け合いながら歩く。

「メグじゃなくてこいつが寝坊すればよかったんだけどな！！」

「メグが寝坊だなんて珍しいね。よくファンに囲まれて動けず遅刻することはあるけど……」

アントーニョとオルハンが足を踏み付け合いながら言う。カナタは呆れたような目を二人に向け、レオンハルトは「見ないように」とカナタに言った。
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