響け!月夜のアジタート
エレベーターに乗り込み、十五階へと向かう。エレベーターが十五階に到着し、ゆっくりとドアが開いた。レオンハルトたちはマーガレットの泊まっている部屋に迷わず向かう。

「おいメグ!!起きてんのか!?」

アントーニョが部屋のドアを叩く。中から応答は何もない。オルハンが顎に手を当てて言う。

「随分と深い眠りについているようだね」

「もしかして、病気とかで動けないんじゃ……」

カナタが顔を真っ青にした。レオンハルトはドアノブを回す。鍵がかかっていた。彼は杖を取り出して「トーニョ」とドアを叩いているアントーニョに声をかける。

「鍵を魔法で開けるよ」

「……ああ。頼む」

アントーニョがドアから離れた。レオンハルトは杖をドアノブに向ける。

「キアーヴェ!」

ガチャリと音が響く。開錠に成功したようだ。レオンハルトたちは顔を見合わせ、ドアノブを回す。

「メグ!!」

「マーガレットさん!!」

レオンハルトたちは部屋の中へと入る。しかし、そこにマーガレットの姿はなかった。ベッドは眠っていた形跡があったものの誰もおらず、荷物もそのまま残されている。
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