響け!月夜のアジタート
レオンハルトの脳裏に、昨日舞台で見たAliceの姿が浮かんだ。



マーガレットの部屋を出たレオンハルトたちは、すぐにフロントに向かってマーガレットが失踪したことを告げた。しかし、従業員たちの反応は冷ややかである。

「失踪?散歩にでも行ってるんじゃないですか?」

「外は大雪だぞ!!散歩できる状況じゃねぇだろ!!」

「それなら先にレストランに入ってるんじゃないですか?」

「レストランにあいつはいなかったし、俺たちがずっと待ってたんだ!!」

従業員の冷ややかな声とアントーニョの怒声が飛び交う。他のお客さんからの視線を感じ、レオンハルトが前に出た。

「これは失踪事件です。警察を呼んでいただけますか?」

しかし、従業員はフッと鼻で笑った。

「警察をどうして呼ぶんですか?死体になって部屋にあったわけじゃないのに」

「テメェ!!」

アントーニョが従業員に掴み掛かろうとするのをレオンハルトは止めた。そして冷たい目を従業員に向ける。

「よくわかりました。メグはこちらで探しますので」
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