響け!月夜のアジタート
レオンハルトが口を開こうとすると、フョードルは彼の隣を走っていく。すれ違う瞬間、レオンハルトはあることに気付いて目を見開いた。走り去っていくフョードルをただ見つめる。

「おいレオン!何してんだよ!」

アントーニョがレオンハルトのところまで走ってきた。カナタとオルハンもそれに続く。カナタが口を開く。

「とりあえず、ホテルの探せるところを捜索してみますか?」

「その前に、兄さんに手紙を送ってもいいかな?詳しい内部の情報がほしい」

レオンハルトはそう言い、呪文を唱える。すると目の前に紙とペンが現れた。その手紙にレオンハルトはホテルスネーウで起こったことを書き、便箋を封の中に入れる。

「ウルラ!」

別の呪文を唱えると、杖の先から光の粒が集まっていく。光の粒は一羽の真っ白なフクロウに変化した。

「この手紙を兄さんに」

手紙をレオンハルトはフクロウに渡す。フクロウは鳴き声を出した後、手紙をくわえて飛んでいった。フクロウを見つめながらカナタが言う。
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