響け!月夜のアジタート
「レオンハルトさん、お兄さんがいらっしゃったんですね。一人っ子かと思っていました」

「そういえば、カナタにはまだ話したことがなかったね」

レオンハルトはそう言い、兄・ルートヴィッヒの写真を取り出す。深緑の軍服を着こなしたルートヴィッヒの隣には、少し照れくさそうなレオンハルトが映っていた。ルートヴィッヒが軍に入隊することが決まった際に撮ったものである。

「兄のルートヴィッヒは家を継いで陸軍で少佐をしているんだ」

「そうなんですね!目元がレオンハルトさんに似ています」

ルートヴィッヒは探偵をしているレオンハルトを心配し、時々事件解決のために情報を集めてくれたりもする。ルートヴィッヒの人脈を頼るのは初めてではない。

「それじゃあ、詳しい内部情報はお兄さんに任せて僕たちはメグを探そう」

オルハンがそう言い、二手に別れてマーガレットを探すことになった。



レオンハルトはアントーニョと共に一階部分を捜索していた。レストラン、物産店、サウナ、覗ける場所を覗き、マーガレットを見ていないか話しかけてみる。

「いねぇな……」
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