響け！月夜のアジタート
「失礼致す。メグを返してもらおう！！」

凛とした声が響く。会場は一瞬にして静かになった。舞台袖からレオンハルト、オルハン、カナタが姿を見せる。

（みんな……！）

マーガレットの目から涙が溢れた。



ホテルスネーウは一見すると何の変哲もないホテルだ。しかし、このホテルには大きな闇があった。ホテルの地下で人や力の弱い人ならざる者たちを売買するオークションが開催されていたのである。

「全員観念しやがれ。ここからぜってぇ逃がさねぇからな！」

アントーニョが拳を握り締めながらいう。ポキポキという音が会場に響き、観客席にいた人たちの顔が青ざめていった。

「ジ、ジッキンゲン……どうして……」

マリヤが戸惑った顔を見せる。その隣でフョードルは安堵した様子だった。その態度を見て、レオンハルトは自分の推理が間違っていないと確信する。

「謎は全て解けています。あの方が教えてくれました」

レオンハルトはフョードルを指した。会場が騒めく。フョードルは少し怯えた様子を見せ、その隣でマリヤは怒りで顔を赤く染めていた。
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