響け！月夜のアジタート

番外編2 it's showtime！

列車を乗り継ぎ、レオンハルトたちはトロンペーテへと戻った。そしてすぐにリズを社員寮へと案内する。子綺麗な二階建てのアパートだ。

「新しい家が決まるまでここに住むといい。もちろんここにずっと住んでも構わないよ」

「僕、このアパートの一階に住んでます！一緒に通勤しましょう！」

カナタが手を挙げ、リズが「よろしくお願いします」と軽く頭を下げる。レオンハルトが部屋の鍵を渡し、リズは早速部屋の中を見ていた。

「必要な家具があって嬉しいです」

「もし気に入ったデザインでなければ買い替えてもいいからね」

レオンハルトはそう言ったものの、リズは首を横に振った。家具のデザインを気に入っている様子だったため、レオンハルトは安心する。後ろではアントーニョとオルハンがヒソヒソと話していた。

「リズは素直でいい子だね。それに比べてトーニョは……」

「は？俺はお前以外には素直だからな！」

クローゼットにリズが服などを片付ける。その様子を見ていたマーガレットが口を開いた。

「ねぇ、リズ。あの舞台で歌っていた歌ってあなたが作ったの？」