世界がラブソングを知ったなら
「どうしたんですか?」


「いや。俺が淹れたココアで喜んでくれるの、翠ちゃんだけだよ。」


いや、それは須藤さんのの大きな勘違いです。



アナタが淹れたココアを喜ぶ人は、五万と居ます、絶対に。



ホカホカと湯気が立ち上るそれを口に含むと、ふんわりと口の中に広がった甘さが、心に沁みた。



「おいし…。」


今まで飲んだココアの中でダントツで美味しい。


白いマグカップを両手で包んで暖をとっていると。




「一生懸命頑張る子、俺好きだよ。」

「へ……?」




カップを思わず落としそうになるほどの爆弾を、サラっと落とした彼はは、ふわりと優しい笑みを零した。




「どうした?」

「い、いえ…!」



そんな私に気付いた彼はそう問うて、コテンと首を傾げる。



彼にとって、きっとそれは特別な意味はない台詞。



だけど私にとっては、とても意味のある特別な言葉になってしまう。





彼の一言一句に、私は一喜一憂してしまうのだ。




恋をする女の子は、きっととても忙しい。




好きな人の一言で、感情が左右されるんだから。


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