家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
そんなルシアに、また一人の男性が声をかけた。

すらりとした長身に、気品の漂う立ち居振る舞い。

整った顔立ちの青年は、ルシアの前で恭しく頭を下げた。

「一曲、いただけますか?」

ルシアは誇らしげにこちらを一瞥すると、にこりと笑って応じた。

「もちろんよ。ロクスフォード公爵家の次男、チャールズ・ロクスフォード子爵よ。」

誇らしげな紹介に、私は軽く会釈した。

その視線を受けたチャールズは私に問いかける。

「こちらは?」

「ルシアの姉のクラリスです。」

「今は、グレイバーン伯爵夫人よ。」

そう言って名乗ると、チャールズは一瞬驚いたように目を見開き、そして笑みを浮かべた。
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