家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「ええ?目が悪い?」

私は思わず問い返した。

「君の美しさに気づかないなんて、不幸な野郎どもだ。」

セドリックの言葉に、思わず笑ってしまった。けれどその優しさが、胸に沁みる。

「舞踏会には、そのドレスで行ったの?」

「そうなの。やっぱり地味だったかしら?」

少しだけ不安になって聞くと、セドリックは首を振った。

「いや、君らしかった。でもね……何かが足りないと思った。」

「何が足りないの?」

私は彼の顔に近づき、声を潜めて聞いた。

「飾りと宝石だよ。」

その答えに、私はくすっと笑った。

「伯爵夫人が、飾りや宝石がたくさんついた格好で舞踏会に行くものかしら?」

「行ってもいいんじゃないか?君が輝くためなら。」

セドリックは真剣な顔でそう言った。その瞳に映る私は、確かに少しだけ誇らしくなっていた。







< 108 / 300 >

この作品をシェア

pagetop