家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「次の舞踏会は?」

セドリックが静かに尋ねた。

「まだ決まってないけれど……来月くらいかしら。」

「その時は僕も行くよ。」

楽しそうに目を輝かせるセドリックを見て、私は少し戸惑った。

「そんな……あなたは忙しいでしょう?」

「君の隣で踊りたいんだ。」

その一言が嬉しくて、胸があたたかくなった。

「じゃあ、今からドレスを新調しよう。あと宝石商も呼ぶんだ。」

「でも……言われないかしら。成り上がりの伯爵がって……」

心の奥にある不安を口にすると、セドリックはふっと笑った。

「地位と名誉しかない奴らに、負ける気はしないよ。」

その言葉には、不思議なほどの自信と優しさがあった。

「僕たちには、誇れるものがある。それは、君だ。」

私は目を見開き、やがて静かに微笑んだ。次の舞踏会が、少しだけ楽しみになった。
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