家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
その問いかけに私は少し笑みをこぼしながら答えた。

「実は、あちらにいらっしゃるデュラン公爵夫人にご挨拶したいのだけれど、伯爵家の私たちからお声をかけてよいのかと迷っていたの。」

エミリアは「なるほどね」と納得したように頷いた。

「では私がそれをデュラン公爵夫人に伝えてみるわ。」

「いいの? エミリア。」

「もちろん。公爵夫人の身分は、こういう時に生かさないとね。」

そう言ってエミリアはウィンクをひとつして、ドレスの裾を翻しながらデュラン公爵夫人の元へ向かった。

彼女の背筋は美しく伸び、その姿に私は少しだけ誇らしさを覚える。

デュラン夫人の周囲には、名のある貴族たちが次々と挨拶に来ていて、立ち止まる隙がないほどだった。
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