家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「あなたがグレイバーン伯爵のご子息ね?」

夫人はまずセドリックに向かって話しかけた。

その口調には、慈愛と確かな品格があった。

「はじめまして、デュラン夫人。セドリック・グレイバーンと申します。父が大変お世話になりました。」

セドリックは丁寧に頭を下げる。

セドリックは丁寧に頭を下げる。

「父より、伯爵の地位を賜ったのは、あなたのお陰だと聞いております。私もあなたへのご恩を忘れません。」

その言葉のあと、彼は片膝をつき、デュラン夫人の手をそっと取り、手の甲に静かに口づけを落とした。

会場にいる誰もが目を見張るような、貴族としての最高の敬意を示す仕草だった。

「まあ……」

デュラン夫人は少し驚いたように目を見開いたあと、微笑みを浮かべた。
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