家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「それはね……お兄様が私の相手になってくれれば解決じゃない?」

その言葉に、空気が一変した。

「はあっ⁉」

私は思わず大声を上げてしまった。

信じられない。何を言っているの、この妹は。

するとルシアはくるりと振り向き、扉に手をかけて——鍵をかけた。

「ちょっと、ルシア!何してるの⁉」

私は怒りと不安に声を震わせた。

「元々お兄様は、私のことがよかったんでしょう?」

私は思わず息をのんだ。信じられない——ルシアが口にしたその言葉。

「お姉様と婚約する前、私に結婚してくれって手紙をくれたじゃない。」

へなへなと膝から崩れ落ちた。そんなこと、聞いてない。

いや、思い出した。ルシアには以前、山のような婚約希望の手紙が届いていたことを。

けれど、まさか——その中に、セドリックの名もあったなんて。
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