家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「確かに、クラリスとの結婚を決めたのは親同士だ。だが——」

その声ははっきりとしていて、強かった。

「今は、その縁に感謝している。」

その言葉に、胸がいっぱいになった。

涙がにじむ。

セドリックは、私を選んでくれている。

過去に何があっても、今の彼の想いがすべてなのだと、私は心からそう思った。

セドリックは静かに、だがはっきりとドアの鍵を開けた。

するとルシアは、怒りを抑えきれず逆上した。

「何よ!お姉様を利用したくせに!」

その声には悔しさと、プライドを踏みにじられた怒りが滲んでいた。

彼女はわなわなと体を震わせていた。

「クラリスと結婚していなければ、あなたはただの伯爵だったじゃない!この前の舞踏会だって、デュラン夫人と話すこともできなかったはずよ!」
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