家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
それはある意味、事実かもしれない。でも、それが何だというのだろう。

「彼女と結婚したから、僕は今の立場を得た。だが、それを“利用”なんて思ったことは一度もない。」

セドリックの言葉は静かで、強かった。

「僕は彼女を心から愛している。……それだけだ。」

その言葉に、ルシアは何も返せず、ただその場に立ち尽くしていた。

「このままだったら、あなた後悔するわよ。」

ルシアの瞳には怒りと屈辱が滲んでいた。

「後悔?何を?」

セドリックは静かに尋ねる。

「エルバリー公爵の令嬢を無下にしたこと、後悔させてやるわ!」

だが、セドリックは微笑すら浮かべた、余裕の顔つきだった。

「ではこうしよう。君の言う通りにしよう。お父上に、アルバート王子との婚約を断るよう申し上げる。」
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