家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「本当に?」

ルシアは一瞬、目を見張った。

「ただし、その理由は……こうだ。“地位を利用して姉の夫を誘惑し、家庭を乱そうとしたため”とな。」

「なんですって!!」

ルシアの顔から血の気が引いた。

「僕はもう黙っていない。君の身勝手に、クラリスを巻き込むのは許さない。」

その一言が、部屋の空気を一変させた。

「いくら名門のエルバリー公爵令嬢でも、未婚の婚約者持ち。しかも王子との婚約があるのに、家庭のある男性を誘惑したと知ったら……アルバート王子もどう対応するかな。」

セドリックの静かな言葉が、氷のように鋭くルシアを刺した。

「卑怯よ!」

ルシアは怒りで声を震わせた。

「卑怯なのはどっちかな。」

セドリックは一歩も引かず、冷静なまま続けた。










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