家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「君の本心は見え見えだ。姉を出し抜いて、伯爵夫人の座を奪い返したかった。違うかい?」

「そ、そんなつもりは……!」

「なら、何のつもりだった?僕に媚びて、結婚を逃れたかっただけか?だったら正直にそう言えばよかった。」

ルシアは言葉に詰まり、何も言えなくなった。

セドリックの視線は厳しく、もはや兄の情もない。

「……帰りなさい、ルシア。君がこれ以上、クラリスを傷つけるなら、僕は君の敵になる。」

その静かな宣告に、ルシアは悔しさを噛みしめながら、ようやく背を向けた。

ルシアはセドリックの言葉を最後まで聞かず、怒りに身を震わせながらドアに向かって足を踏み鳴らした。

「こんな家、二度と来ないわ!!」

ヒールの音が廊下に鋭く響き渡る。私が追いかけようと立ち上がると、セドリックがそっと腕を取った。
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