家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
まるで私が不良品でも見るような言い方に、何も言い返せなかった。

この子に悪気がないことも、ずっと一緒に育ったから分かっている。

でも、だからこそ、余計に刺さる。

私はルシアの手をそっと離し、小さく頭を下げた。

「ごめんなさい、少し休みたいの。」

背を向けて歩き出した私の背中に、ルシアの「がんばってね!」という明るい声が響いた。

階段を降りようとしたその時、背後で扉の開く音がして、執務室からお母様が出てこられた。

「お母様。」

ルシアがぱっと笑顔を浮かべ、軽やかに駆け寄る。

「お姉様の結婚相手、伯爵家なんですって?」

その言葉に、私は足を止めた。

「ええ、そうよ」とお母様は穏やかに微笑む。

「セドリック・グレイバーン伯爵。若いけれどしっかりしていて、お金もあるの。」
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