家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
しばらくして、リリアンがまた遊びに来た。

だが彼女は、玄関先から血相を変えていた。

「あなたのご実家、大丈夫なの?」

突然の言葉に驚いたが、私は彼女を安心させようと微笑んだ。

「大丈夫よ。食べて行くお金は、私たちで何とかしているわ。」

けれど、リリアンは首を横に振った。

「いえ、そうではなく、その……」

彼女は言いにくそうに言葉を選びながら続けた。

「ちまたではもう、エルバリー公爵家は破産しているって噂よ。借金を重ねていて、使用人も次々に辞めてるって……」

「えっ⁉ 破産⁉」

思わず声が上ずる。

ついこの前、最低限の援助はしたはずなのに。それでも、事態はそんなにも悪化していたの?

胸がざわつき、手が震えた。

——私の生家が、本当に壊れ始めている。





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