家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「何言ってるんだ。家族じゃないか。」

お父様の言葉に、一瞬、希望が芽生えた。

「そうよ、クラリス。」

お母様の声も優しげで——私は、ああ、やっと分かってくれたんだと胸を撫で下ろしかけた。

だが、次の瞬間。

「家族である以上、実家を援助するのは当たり前のことだろ。」

お父様は、当然のようにそう言い放った。

「そうよ。何のための家族なの?」

お母様までが、まるで当然の権利のように言ってくる。

私は愕然とした。愛や信頼で結ばれた“家族”ではなく、ただ搾取するための“実家”——それが、今の二人の考えなのだと。

「お父様、お母様。考え直して!」

私は両親に強く訴えた。

「どうしてそこまで、エルバリー公爵家の名前にこだわるの?セドリックの援助だけで、食べて行くことには困らないでしょう?それだけで十分なはずよ。」
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