家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「離縁してもいいわ。」

ぽつりと、私がつぶやいた言葉に、馬車の中の空気が張りつめる。

「何を言うんだ。」

セドリックの声が、静かに響く。

「もう、エルバリー家と親戚でいる意味はないわ。あんな両親や、ルシアのことを考えるくらいなら……」

私は、目を伏せて言葉を続ける。

「私がここから去れば、あなたはもっと楽になれるでしょう?」

だが、セドリックは強く、そして静かに言った。

「クラリス、君を失うことなどできない。」

私ははっと顔を上げた。

「もう君こそが、エルバリー家と縁を切るんだ。君はあの家の娘ではなく、僕の妻であり、グレイバーン家の伯爵夫人なんだ。」

「セドリック……」

「そして、あんな公爵家など、もう公爵の価値すらない。誇りもなく、品格もない。家名にすがるしかできない家に、未来などない。」







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