家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「貿易関係です。」

「貿易……」

「僕の代で伯爵になったので、いわゆる成り上がりです。」

――成り上がり。

その言葉に、胸の奥がざわついた。嫌な予感がよぎる。

「もしかして……膨大な支度金を請求されているの?」

彼は一瞬、苦笑を浮かべた。

「ははは、請求と言いますか……まあ、公爵家の令嬢と結婚するにはそれなりの支度金が必要だと、お父上から言われて……」

私は思わず拳を握った。

――やっぱり。

あの両親、またしても!今度は、真面目で誠実そうな青年を利用して!

「その支度金、いくらって?」

「……いえ、まあ……僕が払える範囲ではあります。でも、少し貯金を崩さないと厳しいかもしれません。」

私は顔が引きつるのを感じた。

また同じことの繰り返し。ルシアの結婚を餌にして、相手の財力をしゃぶり尽くす気なのか――!?
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