家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
無事にルシアの結婚も終わり、ようやく私とセドリックに穏やかな時間が戻ってきた。

応接間の窓からは、庭で侍女たちが楽しそうにお茶会をしている姿が見える。

笑い声が風に乗って届いてくる。

「今日も侍女たちは、お茶会を楽しんでいるわ。」

私がそう呟くと、向かいのソファで本を読んでいたセドリックが、ふと顔を上げて微笑んだ。

「いい光景だな。」

その声はいつもより柔らかく、まるで家の空気さえも温かくするようだった。

彼がこうしてゆったりと過ごしている姿を見ると、私の心も自然とほどけていく。

午後の日差しが、窓越しに柔らかく差し込む。

セドリックはお気に入りの肘掛け椅子に腰を下ろし、厚めの革装丁の本を膝に広げていた。

眼鏡の奥の瞳がページをゆっくり追い、時折、口元にわずかな笑みが浮かぶ。
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