家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
彼の瞳は、まるで燃えるように真剣だった。

私のために、そこまでしてくれる人がいる。

その事実だけで胸が熱くなる。

それからセドリックは、ありとあらゆる伝手を頼り、各地に使いを走らせた。

王都の学士院、遠方の名医、果てはかつて治療を拒んだ老医師まで……。

やっと見つかったのは、国境近くの静かな村にひっそりと住む、伝説的な治療師だった。

過去に王族の命も救ったとされるが、今は隠遁生活を送っているという。

「クラリス、希望は見つかった。すぐに迎えに行かせる。」

セドリックの声に、私は弱々しくも頷いた。

彼の決意に、心が支えられているのを感じていた。

そして彼は、たいそうな機械を抱えて、グレイバーン伯爵家にやってきた。

助手の女性は若く、きびきびと動いていた。
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