家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「ああ、そうだったか。無意識に……男の子だと信じてたみたいだ。」

寝転びながら、セドリックはその紙をじーっと見つめている。

「一生背負う名前だからな。良い名前をつけてあげたい。」

真剣な眼差しに、胸が温かくなった。

「……じゃあ、女の子だったらどうするの?」

私が問いかけると、セドリックは目を細めて、くすっと笑った。

「その時は君が考えてくれ。僕より、ずっと素敵な名前をつけてくれるはずだ。」

そう言って、私の手をそっと握ってくれた。

小さな命への愛情が、ゆっくりと広がっていく夜だった。

こうして、セドリックと一緒に眠りにつく。

ただ隣にいて、温もりを感じながら目を閉じる。

それだけで、胸がいっぱいになるほどの幸せだった。

お腹の中に宿る新しい命。

これから名前を与え、愛情を注ぎ、育てていく。

――新しい家族が増える。
――新しい未来が始まる。

もしかしたら、この子が新しいグレイバーン伯爵となる日が来るのかもしれない。

そう思うと、私の胸の中にふわりと灯がともるような気がした。

静かな夜に、二つの鼓動と、もう一つ小さな命の鼓動が重なって――

私は、眠りについた。


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