家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
そんな中、実家のお母様から一通の手紙が届いた。

「夫婦生活は上手く行っている?」

相変わらず率直な文面に、私は思わずくすりと笑った。

お母様の言葉には遠慮というものがない。

でも、どこかで愛を感じる。

最近、私は妊娠してからというもの、夜は専ら眠るばかりになってしまっていた。

「夜の行為」は、確かに減っている。でも――。

「私達は上手く行っているわ」

私は返事を書く手を止め、ふと隣で書物を読んでいるセドリックに目をやった。

彼は私に無理をさせないように、そっと優しく寄り添ってくれている。

手を握れば、握り返してくれる。

肩に寄りかかれば、温かな腕が包んでくれる。

愛し合っているという感覚は、行為があるかどうかではなく、

互いに思い合っているという事実が、確かに心を満たしてくれていた。

< 226 / 300 >

この作品をシェア

pagetop