家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
けれど――。

その次の母の一文が、私の心をひやりとさせた。

「男の人は欲求がたまるらしいから、気を付けた方がいいわよ。」

まさかセドリックに限って……?

いや、そんなことは――。

けれど私の心に、小さな波紋が広がっていった。

「解決方法は一つよ。愛人を作る前に、愛人を差し出すの。」

――え?

手紙の文字を何度読み返しても、意味は変わらなかった。

「自分を裏切らない人を推薦するのよ。信頼できる使用人でも、侍女でも、いっそ遠い親戚でもいいわ。」

私は思わずテーブルに手紙を置いた。

お母様、なんてことを……。

「夫が浮気するぐらいなら、自分で相手を選ぶ。それが貴族の女の賢さよ。」

そう書かれていたが、私は言葉を失っていた。

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