家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
私は、ある日。キャリーの元を訪れた。

彼女は町の外れで小さな花屋を営んでいて、店の前には季節の花が咲き誇っていた。

色とりどりの花たちは、まるで彼女そのもののようだった。

静かで、でも確かな美しさを放っている。

「キャリー、お久しぶりね。」

声をかけると、キャリーは振り返り、私の姿を見つけて少しだけ目を見開いた。

「グレイバーン伯爵夫人……」

「クラリスでいいわ。」

花束を束ねていた手を止め、彼女はそっと私に微笑みを向けた。

変わらぬ優しい笑顔。それが少しだけ、心を揺らした。

「少し、お話できるかしら?」

「ええ。奥にどうぞ。」

店の奥には、花の香りに包まれた小さなスペースがあった。丸いテーブルと、二脚の椅子。

キャリーが入れてくれたカモミールティーの湯気が、静かに立ちのぼる。
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