家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
そして楽しみにしていた晩餐会の日。

王宮の大広間には、煌びやかな衣装をまとった貴族たちが集っていた。

シャンデリアの光がクリスタルグラスに反射し、まるで星々が降ってくるようだった。

「クラリス。」

背後から聞き慣れた声に振り返ると、リリアンとエミリア、かつての友人たちの笑顔があった。

二人とも、今ではそれぞれ公爵夫人となっている。

「リリアン、エミリア!」

思わず手を取り合う。久しぶりの再会が嬉しかった。

「クラリスも呼ばれたのね。」

「そうなの。不思議だけど、嬉しいわ。」

するとエミリアがくすっと笑って言った。

「あら今、グレイバーン伯爵家は、公爵家よりも有名よ。あなたとセドリック様の仲睦まじさは、皆の憧れなの。」

「そんな……」

私は頬が熱くなるのを感じた。

確かに、昔はただの地味な令嬢だった私が、こうして王族の晩餐会に招かれているなんて――人生は何があるか分からない。

隣で微笑むセドリックの横顔を見て、私は静かに幸福を噛みしめた。
< 243 / 300 >

この作品をシェア

pagetop