家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「だけど、こうなった以上、彼女の支えになれるのは、姉の私しかいない。」

そう思って、私は静かに彼女の背に近づいた。

「ルシア……」

そっと肩に手を添えようとしたその瞬間――。

「止めて!」

ピシャリと、ルシアの手が私の手を振り払った。

「お姉様が悪いのよ!」

「えっ⁉ 私⁉」

思わず問い返すと、ルシアの目には怒りと悔しさが滲んでいた。

「伯爵夫人なのに、公爵夫人たちと仲良くなって……だから、私も同じだと思ってしまったじゃない!」

「だって、エミリアとリリアンは、同級生よ?友人よ?」

「でも今は違う。あの人たちは“公爵夫人”で、私は“伯爵夫人”。違うのよ……身分が。」

ルシアの声が震えていた。

その言葉の奥にあるのは、嫉妬でも見栄でもない。

認めたくない現実への怒りと、自分だけが置いていかれるという孤独だった。
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