家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「分かった。何とかする。」

セドリックのその一言に、胸がいっぱいになって、涙があふれた。

「ありがとう、ありがとう、セドリック……」

嗚咽まじりの声で何度も礼を言う私に、彼はそっと頭を撫でながら言った。

「君の大切なものは、僕の大切なものだ。」

そう言って、私をぐっと強く抱きしめてくれた。

彼の腕の中は、あたたかくて、頼もしくて、どんな不安も消えていくようだった。

「子供が生まれたら、エルバリー家に顔を見せに行くんだものな。その時、屋敷が無くなっていたら、悲しいだろう?」

「うん……」

私の答えに、彼は小さく笑った。

「なら、なんとかしてみせるよ。」

セドリックのその大きな優しさと覚悟が、私をすっぽりと包んでくれた。

きっと私は、この人とならどんな困難も乗り越えていける。そう、心から思えた。
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