家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
そしてもう一人、落とし前をつけるべき人物が、泣きながら私の屋敷を訪れた。

「もう私、ダメよ……」

現れたのは、結婚したはずの妹、ルシアだった。

「どうしたの?」と尋ねると、彼女は崩れるように椅子に座り込み、顔を手で覆った。

「あの晩餐会以来、レオンとの仲は最悪なの……」

なんでも、あの日の騒動をきっかけに、レオンはすっかり彼女に冷たくなり、口もろくにきかなくなったらしい。

「全然構ってくれないし、屋敷にも帰ってこない日があるの。私もお姉様みたいに、子供が欲しいのに……これじゃあ全くできないわ」

そう言ってルシアは、涙をぽろぽろとこぼしながらすすり泣いた。

かつての傲慢な姿はそこになく、ただ愛を乞う妹の姿があった。

だが、彼女自身が招いた結果でもあった。
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